ジェイゾロフトの併用禁忌や注意薬を知っておこう

 

大半の医薬品には、併用注意(気を付けて併用する)や併用禁忌(絶対に併用してはいけない)医薬品が存在しており、ジェイゾロフトもその例外ではありません。

 

ここでは、ジェイゾロフトの併用注意・禁忌薬や、メジャーな医薬品との飲み合わせに関してお伝えしていきます。

 

目次

 

ジェイゾロフトの禁忌事項

 

ジェイゾロフトには、複数の禁忌事項が存在します。言い換えれば「この条件に該当する場合は、ジェイゾロフトを飲んではならない」という事です。

 

添付文書には次のように記載されています。

 

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者
  3. ピモジドを投与中の患者
参考ページ:ジェイゾロフト添付文書

 

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 

ジェイゾロフトを飲んだ事が原因で、過敏症になる恐れがあります。ジェイゾロフトで一度でも過敏症になった事がある場合は、二度とジェイゾロフトを飲んではなりません(禁忌)。

 

→過敏症副作用について

 

過敏症に関する詳しい事は、上記↑の記事をお読み頂ければ分かります。

 

MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者

 

MAO阻害剤は、パーキンソン病等を治すための薬です。そして、MAO阻害剤とジェイゾロフトは絶対に併用してはなりません。パーキンソン病の方は特に気を付けましょう。また、MAO阻害剤の摂取を停止したとしても、そこから2週間経過してからでないとジェイゾロフトを摂取してはならない事になっています。

 

ピモジドを投与中の患者

 

ジェイゾロフトとピモジドは併用厳禁、つまり絶対に併用してはなりません。

 

ジェイゾロフトの併用禁忌薬をチェック

 

ジェイゾロフトには、併用厳禁の医薬品が2個存在します。

 

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(エフピーなど)

 

モノアミン神経伝達物質の酸化を促す酵素としてMAO(モノアミン酸化酵素)というものが存在します。そして、それがさらに「MAO-B」と「MAO-A」に区分されますが、国内では前者と関係する「セレギリン(エフピー)」しか承認されていません。

 

セレギリンを飲むとMAO-Bがブロックされて、ドーパミンの分量が多くなります(ドーパミンの酸化が穏やかになるため)。そして、この効果によりパーキンソン病等を改善する事ができるのです。
MAO阻害剤を摂取している折にジェイゾロフトを摂取すると、昏睡、発熱、全身痙攣、発汗等の重篤な症状に見舞われる可能性があるので、ジェイゾロフトとの併用は禁忌です。そして、繰り返しになりますが、MAOブロック薬品の利用を止めた場合でも、その後2週間はジェイゾロフトを飲んではなりません。

 

MAO阻害剤自体が少しレアな薬品ですが、パーキンソン病等の治療を進めているのであれば気を付けなくてはなりません。事前に「ジェイゾロフトを飲んでいる」と病院側に知らせておくようにしましょう。

 

ピモジド(オーラップ)

 

オーラップ錠(ピモジド)は、トゥレット症候群、自閉症、統合失調症等の改善に役立つ医薬品です。ただ、ジェイゾロフトと併用すると「QT延長」に見舞われる恐れがあります(要因は解明されていません)。不整脈等をQT延長は招きますので、ピモジドを飲んでいる場合は、ジェイゾロフトは飲まないようにしましょう。

 

ピモジドは多種多様な症状に役立つ薬ですが、やや歴史の長い薬ですから、探せば代わりになる医薬品が見つかるケースも多々あります。ですから「ピモジドの方を他の何かに変えて、ジェイゾロフトの摂取を行う」という方向性になる可能性が高いと思います。

 

ジェイゾロフトの併用注意薬は複数ある!

 

ジェイゾロフトの併用留意薬品は案外多種多様です。まずは、一覧をご覧ください。

 

薬剤名など 何の症状に利用されるか 併用のデメリット
リネゾリド 抗生物質(バンコマイシン耐性腸球菌) レクサプロのセロトニン作用と重複するため、セロトニン症候群などが現れるリスクがある。
5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタンコハク酸塩、ゾルミトリプタン、エレトリプタン臭化水素酸塩) 片頭痛 レクサプロと相互に作用を増強させてしまう可能性がある。
オピオイド系鎮痛薬(トラマドール(トラムセット)、メサドン、ペンタゾシン) 鎮痛 セロトニン症候群を引き起こすリスクがある。
炭酸リチウム 気分安定薬 セロトニン症候群を引き起こすリスクがある。
三環系抗うつ剤(クロミプラミン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩) うつ状態・うつ病など レクサプロが三環系抗うつ剤の作用を減少させるおそれがある。また、血小板凝集能が阻害され、出血しやすくなる、止まりにくくなる傾向がある。
ワルファリン(ワーファリン) 抗凝固薬 相互作用によってお互いの血中濃度が高まり、作用が増強されてしまうおそれがある。また、血小板凝集能が阻害され、出血しやすくなる、止まりにくくなる傾向がある。
NSAIDsなど 解熱・鎮痛など レクサプロの影響で血小板凝集能が阻害され、出血傾向が出やすくなる。
シメチジン 逆流性食道炎など レクサプロの代謝酵素を阻害するため、レクサプロの血中濃度が上がりやすくなる。

参考ページ:ジェイゾロフト添付文書

 

ジェイゾロフトの併用注意薬のうち覚えておきたい医薬品一覧は↑通りとなります。

 

この一覧の内でも特に気を付けるべき医薬品に関して紹介していきます。

 

セロトニン作用薬(SSRI、SNRI、三環形抗うつ薬など)

 

SSRI ルボックス、デプロメール、パキシル、ジェイゾロフトなど
SNRI サインバルタ、トレドミン、イフェクサーなど
三環形抗うつ薬 トフラニール、トリプタノール、ノリトレンなど
その他 トラムセット、セント・ジョーンズ・ワートなど

 

ジェイゾロフトの分類は「SSRI」です。そのため、セロトニンの再取り込みをブロックして、脳の中のセロトニンを多くする事が可能です。ただ、医薬品の中でセロトニンに関係しているものは他にも山ほど存在しています。

 

ジェイゾロフトではないSSRIは当然ですが、一例としてセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬品(SNRI)にもセロトニンを多くする効果があります。また、炭酸リチウムなどの抗精神病薬、さらには三環系抗うつ剤もセロトニンを増やす作用があります。

 

上記のようなセロトニンに関係してくる医薬品とジェイゾロフトを一緒に摂取してしまうと、セロトニンが多くなり過ぎて、セロトニン症候群になってしまう可能性が高くなります。ですから、セロトニンに関係してくれる医薬品とジェイゾロフトを併用する場合は、気を付けなくてはならないのです。

 

SSRIであるジェイゾロフトと、他のSSRIを一緒に飲む事になるケースはほぼ存在しません(別のSSRIにチェンジする事はあるかもしれません)。三環形抗鬱剤やSNRIに関しても同じです。しかしトラムセット等に関しては、別の科で扱われる場合があるので、併用する事になる場合もあるので気を付けましょう。

 

市販のサプリメントにも注意

 

自然食品の中にも、セロトニンを増やす効果のあるものはいくつか存在しています。

 

  1. セント・ジョーンズ・ワート
  2. L-トリプトファン入りのサプリ

 

特に上記2つについては添付文書上でも明確に「併用注意」となっているので、安易に市販品を買って飲まないようにしましょう。もちろん禁忌ではないので併用自体は可能な場合もありますが、ジェイゾロフトの服用量を減らすなど調整が必要です。

 

一部の胃薬(シメチジン)

 

胃腸薬を使っている人もたくさんいるでしょうが、ジェイゾロフトには消化器関係の副作用が存在するので、その副作用を和らげる目的で一緒に処方される場合も多いです。

 

ただ、胃腸薬でも「シメチジン」については、ジェイゾロフトとは併用注意と定められています。

 

シメチジンで厄介なのが、「市販されている」という点です。処方薬なら、医師にジェイゾロフトを服用していることを伝えれば基本的には問題ありません。しかし、シメチジンの場合、胃の調子が悪くて胃薬を買いたくなった際に、うっかりシメチジン配合の胃薬を買ってしまうリスクがあるのです。

 

フロンティア(製造販売藤沢)、パンシロンH2ベスト(製造藤沢、販売ロート販売)、住友胃 腸薬スコープ(製造住友、販売住友ヘルスケア)、センロックエース(製造住友、販売第一)、ザッツブロック(製造住友、販売武田)アルサメック(製造販売佐藤)

 

シメチジンに関してですが、↑のようにたくさんの市販薬に入っているので見落とさないように気を付けましょう。H2ブロッカーで併用注意でない薬と言うと「ガスター10」等が存在するので、シメチジンを用いていた人はそちらにチェンジすると良いと思います。

 

ジェイゾロフトに関する副作用の中の消化器関連のものを和らげたくて胃腸薬を飲む場合は「ムコスタ」「ガスモチン」等を推奨します。前者には胃壁の粘膜を頑丈にする効果が、後者には消化管の動きを元気にする効果があります。ムコスタでもガスモチンでも消化器関連の副作用を和らげる事ができるので、病院側に行って出してもらうと良いと思います。

 

NSAIDs(ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェンなど)

 

関係が無さそうにも見えますが、ジェイゾロフトと痛み止め・解熱剤のNSAIDsも併用注意です。

 

NSAIDs(非ステロイド解熱・鎮痛剤) ロキソニン、ボルタレン、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなど

 

NSAIDsのリストが上記です。ドラッグストアで容易に買える「ボルタレン」や「ロキソニン」等の痛み止め・解熱剤が入っています。イブプロフェン(イブ)、アスピリン(バファリン)などもありますから、国内にいると案外NSAIDsを摂取する機会は多いのです。

 

NSAIDsとSSRI(ジェイゾロフト等)を併用すると、止血がされにくくなる事が判明しています。

 

そして、NSAIDsの摂取量を可能な限りダウンされる事が対処手段となります。ただ、ダウンさせ過ぎると痛みが酷くなりますので、加減が困難です。ですから、どうしても併用したい場合は病院側に助言を仰ぐようにしましょう。

 

一般的な医薬品との飲み合わせ

 

ジェイゾロフトの摂取期間はやはり長引く傾向にあります。ですから、別の医薬品と一緒に飲む機会が出来る事は少なくありません。

 

ここでは、ジェイゾロフトとメジャーな医薬品との併用に関してお伝えしていきます。

 

抗不安薬・睡眠薬(デパス、アモバン、マイスリーなど)

 

抗不安薬 デパス、レキソタン、ソラナックス、ワイパックス、メイラックスなど
睡眠薬 アモバン、ルネスタ、マイスリー、レンドルミンなど

 

ジェイゾロフトとこれらの医薬品が一緒に出される事は多いです。ですから、相性は悪くないように感じるかもしれません。

 

ただ、SSRI・睡眠薬・抗不安剤の内の全てが「中枢神経抑制作用」を有しています。ですから、めまい・フラフラ感・眠気等の副作用に見舞われやすいです。そして、一緒に飲めばその副作用の発症率・程度がさらに酷くなる恐れがあります。

 

また、中枢神経抑制剤は耐性が付きやすく依存度も高い薬ですから、一緒に摂取してしまうと、更に依存度が上がりやすくなってしまう恐れがあります。

 

ですから、併用留意には該当しませんが、可能な限り併用は避けた方が良いと思います。病院側が併用させてくるのであれば大丈夫ですが、素人判断で色々と併用するのは控えましょう。

 

風邪薬(パブロン、ルルなど)

 

ジェイゾロフトと風邪薬の併用に関しては「風邪薬の解熱効果はどの成分で発揮されるのか」次第です。

 

  1. アセトアミノフェン
  2. NSAIDs(ロキソニン、イブプロフェンなど)

 

風邪薬の解熱成分としては主に上記の2種が存在します。ただ、繰り返しになりますが、NSAIDsは併用注意ですから可能な限り止めておきましょう。

 

ですから、結局のところ「アセトアミノフェン」で解熱させる風邪薬を使うのが最善であると言えると思います。

 

医療機関で出してもらうのであれば「ジェイゾロフトを飲んでいる」と告げれば、配慮してくれるはずです。ただ、ドラッグストア等で自分で風邪薬を買う場合は気を付けましょう。外箱の成分欄をチェックして、可能な限り「アセトアミノフェン」と記載されているものを買うようにしましょう。NSAIDsの仲間である「ロキソプロフェン」や「アスピリン」が入っている風邪薬を使うのは好ましくありません。

 

花粉症(アレグラ、ザイザルなど)

 

花粉症薬(アレロックやアレグラ等の抗ヒスタミン剤)は春先から特に人気が出ます。では、花粉症薬とジェイゾロフトは併用しても良いのでしょうか?

 

まず、原則併用しても構いません。併用注意には該当しないので、アレロック等をドラッグストアで買って飲んでも構いません。

 

ただ「中枢神経抑制作用」をザイザルやアレグラ等の抗ヒスタミン剤は有しているので、ジェイゾロフトの効果とあいまって強烈な眠気に襲われる場合があります。ジェイゾロフトに関する副作用としても眠気等が存在するので、併用する事で酷い眠気に見舞われる可能性が高くなります。ですから、ドライブの前や出掛ける前などには併用を避けるようにしましょう。丸一日自宅で過ごせるような日限定で、もし併用するならば、するようにして下さい。

 

ピル(トリキュラーなど)

 

女性だと、トリキュラー等のピルを飲んでいる方も存在すると思います。

 

ジェイゾロフトとの併用留意には該当しないので心配は無用です。一緒に飲む事が原因でピルの効き目がダウンする事もありません。

 

ただ、ピルに関する副作用として消化器関連のものがあるので、ジェイゾロフトの副作用と被って重篤化する場合があるので気を付けましょう。

 

ジェイゾロフトの併用・飲み合わせまとめ

 

はじめに、下記はジェイゾロフトとの併用が厳禁(絶対禁止)の医薬品ですので把握しておきましょう。

 

  1. モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
  2. ピモジド(オーラップ錠)

 

また、併用注意薬品も様々に存在していますが、少なくとも次のものだけは必ず覚えておいて下さい。

 

  1. セロトニン作用薬(SSRI・SNRI・三環形抗うつ薬など)
  2. シメチジン
  3. NSAIDs(ロキソニンなど)

 

この内、NSAIDsやシメチジンはジェイゾロフトと一緒に飲む事になりやすいので留意しましょう。