ジェイゾロフトの副作用症状も把握しておこう

 

ジェイゾロフトはSSRIの一種でありうつ状態を改善する作用があります。ただ、飲む期間が長引きやすい薬なので副作用の事が気になっている方もいると思います。

 

ここでは、ジェイゾロフトの

 

  1. ジェイゾロフトの副作用
  2. ジェイゾロフトの離脱症状

 

という事を中心に紹介していきます。

 

目次

 

ジェイゾロフトの副作用確率・割合について

 

ジェイゾロフトの添付文書に副作用の発症率が数値で掲載されています。千件を超えるデータから算出した割合なので信頼できます。

 

病例 副作用発生確率
うつ病、うつ状態・パニック障害

59.6%(1478例中881例)

参考ページ:ジェイゾロフト添付文書

 

上記がジェイゾロフトに関する副作用の発生率です。副作用は約60パーセント、つまり3分の2程度の確率で副作用が生じるという事になります。ただ、そもそもSSRI自体の副作用の発生率が4割~7割ですから、ジェイゾロフトだけ飛び抜けているというわけではありません。そもそも、SSRIというもの全体が副作用の出やすい医薬品なのだと捉えておきましょう。

 

また、副作用の強さや生じ方にも各々で差異が存在します。もちろん、そもそも副作用が生じなかったり、生じても徐々に消えていったりする場合もあります。ですから、ジェイゾロフトが十分効いてくれているのであれば、少しの副作用には耐えるというのも良いと思います。大切なのは起こり得る副作用を把握しておいて、対応出来るようにしておくという事です。その上で、副作用が出た場合にその都度飲み続けるかどうかを決めていくようにしましょう。

 

精神系の症状<眠気、頭痛、めまい等>

 

ジェイゾロフトに関する副作用で一番出やすいのは、精神関連のものです。

 

1%以上 1%未満 頻度不明
睡眠障害(不眠等)、錯乱状態、傾眠、頭痛、浮動性めまい、振戦、感覚減退 悪夢、易刺激性、易興奮性、うつ病、躁病、精神症、多幸症、リビドー減退、記憶障害、注意力障害、起立性めまい、味覚異常、頭部不快感、運動障害(アカシジア、錐体外路症状、運動過多、歯ぎしり、歩行異常等)、錯感覚 攻撃的反応、不安、焦燥、興奮、幻覚、不随意性筋収縮、ジスキネジー、ジストニー、片頭痛、失神

 

精神関連の副作用の中でも特に出やすいのが

 

  1. 眠気(15.2パーセント)
  2. 頭痛(7.8パーセント)
  3. 浮動性めまい(5.0パーセント)

 

上記の3種です。特に眠気は6分の1程度の確率で見舞われる、一番出やすい副作用となっています。

 

さて、このような精神関連の副作用は、ジェイゾロフトの効果自体が引き起こします。SSRIであるジェイゾロフトには、脳の中のセロトニンを多くする効果があるためです。

 

セロトニン 眠気をコントロールしたり、食欲・性欲といった衝動的な欲求を制御する作用をもつ

 

セロトニンの役目は上記の通りです。ジェイゾロフトを飲む事でちょうど良くセロトニンが多くなっていけば良いのですが、セロトニンの分量がおかしくなる事もあります。そうなると、眠気が酷くなったり、ボーっとしたり、不安が強くなったりする可能性が高くなります。また、場合によっては性欲が低下する事もあります。

 

そして、反対に眠れなくなったり、性格が凶暴になったり、気持ちがイライラ・そわそわして落ち着かなくなったりする場合もあります。これも、セロトニン等の神経伝達物質の調和がおかしくなっているからです。つまり「眠れなくなる」事もあれば「眠くなる」事もあるのです。

 

それから、睡眠中に歯ぎしりが増えたり、寝汗が酷くなったり、合組が多くなったりする場合もあります。悪夢が原因で中途覚醒する場合もあるので、ジェイゾロフトで眠りの質を高めるのは難しいと言えます。

 

そして、フラフラ感やめまい等の副作用が抗不安剤や抗鬱剤には多いですが、ジェイゾロフトでも同じような副作用が生じる場合があります。転んで怪我を負う恐れがあるので気を付けましょう。また「痺れ」が起きて、ムズムズしたりビリビリしたりする場合もあるので覚えておきましょう。

 

対処手段としては、別の医薬品を使ったりジェイゾロフトの分量をダウンさせたりするのが有効です。ジェイゾロフトよりも少し副作用が出にくいSSRIも存在しますので、そういったものを試してみるのも良いでしょう。勿論、何にせよ医者に診てもらって決めるようにしましょう。

 

消化器系の症状<口が渇く、吐き気、下痢など>

 

また、ジェイゾロフトの場合は、消化器関連の副作用も精神系関連の副作用と同レベルで出やすいです。

 

1%以上 1%未満 頻度不明
悪心・嘔吐(吐き気)、口内乾燥、下痢・軟便、便秘、腹部不快感、腹痛、腹部膨満、消化不良、食欲不振 胃腸障害、食欲亢進 膵炎

 

全ての副作用で一番出やすい(18.9パーセント)のが「悪心(胃がムカムカして気持ち悪い)」です。また、消化器関連の副作用(食欲低下、嘔吐感、下痢、便秘、口内の乾きなど)も、それなりに出やすいです。

 

「セロトニンが多くなった事」が引き金で、これらの消化器関連の副作用は発生します。ジェイゾロフトには脳の中のセロトニンを多くする効果がありますが、セロトニン受容体は全身に存在していますし、消化器には特にたくさんのセロトニン受容体が存在しています。なので、セロトニンが多くなって受容体に刺激が加わる事で、便秘、吐き気、嘔吐感に見舞われる事になります。またおならが臭いケースもあります。

 

そして、食欲低下が原因で体重が落ちるケースが大半ですが、反対に食欲が増えて過食にいたる場合もまれにあります。そうなると、食事量が増えて太ってしまう恐れがあるので気を付けましょう。

 

対処手段は主に2つ存在します。まずは、単純に「ひたすら耐える」という手段です。セロトニンが多くなっても徐々に体が順応していき、消化器関連の不具合も徐々に消えていく場合が大半です。実際、1週間から2週間ほど経てば、9割以上の割合で消化器関連の副作用は消えていきます。なのので「ひたすら耐える」というのも、案外馬鹿にしたものではないのです。

 

そして、もう1つは「胃薬を使う」という手段です。実際、ジェイゾロフトに関する副作用として消化器関連がおかしくなる場合が多いというのは明確な事なので、大半のケースで胃腸薬も併せて出されています。

 

薬品名 種別 備考

ガスモチン

消化管の運動を活発にする

胃腸を活発に働かせて消化器症状を抑える。

ガスター

H2ブロッカー

胃酸分泌に関わる「H2受容体」の働きを阻害し、胃酸の分泌量を減らす。

 

上記の2種の医薬品が出される事が多いです。

 

嘔吐感に襲われてから胃腸薬を摂取するのも悪くはありませんが、可能であれば事前に摂取しておいて嘔吐感に備えておいた方が良いです。その方が、通常よりも副作用の苦しみが少なくなる可能性が高いからです。ですから、胃腸の状態に自身がない場合は、自分で胃腸薬を買っておいたり、病院で出してもらったりするようにしましょう。

 

そして、1週間から2週間が経過しても消化器関連の副作用が治まらないのであれば、他の医薬品にチェンジする事を考えましょう。SSRIの場合は消化器関連の副作用に襲われてしまう可能性が高いですが、別の医薬品にチェンジすれば、症状が改善する場合が多いです。

 

身体的な症状<倦怠感・疲労感・肩こり等>

 

肩こり、疲れ、だるさ等の全身症状的な副作用に襲われる場合もあります。

 

1%以上 1%未満 頻度不明
倦怠感、多汗(発汗、寝汗等) 背部痛、関節痛、筋緊張異常(筋硬直、筋緊張亢進、筋痙攣等)、無力症、熱感、異常感、胸痛、胸部圧迫感、疲労、発熱、ほてり、悪寒、脱毛症 気管支痙攣

 

ジェイゾロフトが持つセロトニンの量を多くする作用は、身体的な症状として発現する事もあります。セロトニンが多くなると気持ちは落ち着きますが、多くなり過ぎれば「落ち着く」というレベルどころでは収まらず「疲労感」や「倦怠感」に襲われる場合があります。また、セロトニンのバランスが悪くなる事で「火照り」や「寒気」に襲われる場合もあります。

 

眠気と倦怠感等が混ざって、一日中眠ってしまうような恐れもあります。ここまでいくのであれば、ジェイゾロフトが体質にマッチしていない可能性が高いので、医者に相談した方が良いと思います。

 

筋肉関連の副作用(筋肉痛、身体の緊張、肩こり)が生じる場合もあるので、運動を行うのであれば怪我に気を付けましょう。

 

肝臓症状<肝機能障害等>

 

ジェイゾロフトを含め、全ての医薬品は肝臓に負担を掛けます。

 

1%以上 1%未満 頻度不明
ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γ-GTP増加 LDH増加、Al-P増加、総ビリルビン増加、直接ビリルビン増加 -

 

医薬品の排泄・代謝は腎臓と肝臓が実行しています。実行されなければ、ずっと身体から薬が抜けなくなってしまうので大変です。そのため、医薬品を服用すると、排泄と代謝を通して腎臓や肝臓に負担が掛かってしまうのです。

 

ジェイゾロフトに関しても同様であり、飲む事で肝臓にダメージが及んでGPT(ALT)やGOT(AST)等の数字が上がってしまう恐れがあります(=肝臓が傷付く恐れがあります)。健康体の方であればほぼ大丈夫ですが、元々肝機能障害等を持っている人は気を付けましょう。

 

健康チェック等で肝臓に関する数値に問題があったのであれば、医者の許可を得てからジェイゾロフトを使うようにしましょう。一般人が使って良いのか判断する事は不可能です。

過敏症状<湿疹、蕁麻疹、かゆみ等>

 

ジェイゾロフトを飲むと「過敏症(痒み、発疹、蕁麻疹等)」に襲われる事が稀にあります。過敏症の事を「薬疹」と言う場合もあります。

 

1%以上 1%未満 頻度不明
発疹 蕁麻疹、そう痒症、顔面浮腫、眼窩周囲浮腫 光線過敏性反応

 

過敏症の原因は「薬(この場合はジェイゾロフト)に過剰反応してしまう」事にあります。言ってみれば「薬と個々人の体質の相性」の問題であり、ジェイゾロフトとの相性が悪いと免疫能力が反応し過ぎて、薬疹が発生してしまうのです。

 

そして薬疹はジェイゾロフトを含めて全部の医薬品に対して起こり得ます。本当に相性が悪ければ、普通の市販薬でも過敏症が発生してしまう場合もあります。ですから、ジェイゾロフトで過敏症が生じてしまったのだとしたら「運が悪かった」と思うしかありません。

 

ちなみに、ジェイゾロフトで薬疹が生じましたら、以降の摂取は厳禁となりますので直ちに止めましょう。

 

泌尿器の症状<頻尿、射精障害・生理不順など>

 

また、可能性は低いですが、性器・泌尿器関連の副作用に襲われる場合もあります。

 

1%以上 1%未満 頻度不明
- 排尿困難、尿閉、頻尿、性機能障害(射精遅延、持続勃起症等)、月経障害 尿失禁・夜尿、乳汁漏出症、女性化乳房

 

ジェイゾロフトには、神経伝達物質の仲間であるアセチルコリンの動きをブロックする効果(抗コリン効果)があり、この効果により副交感神経の動きが鈍くなります。

 

副交感神経には、尿、胃腸、食道、口の状態を安定させる働きがありますから、抗コリン効果の影響で、おしっこが出にくくなったり頻繁に出てしまうようになったりする場合があるのです。

 

それから、ジェイゾロフトを飲む事で性機能・生殖器関連の副作用に見舞われる場合もあります。女性であれば「月経過多」「月経不順」、男性であれば「射精障害」等として具現化する場合が多いです。

 

おしっこが出にくい・出ないというのは特に危険なので、すぐに病院に行くようにしましょう。そして、ジェイゾロフトの利用はストップして、他の医薬品にチェンジする事などを考えていきましょう。

 

その他の副作用について

 

ここまでさまざまな副作用症状を解説してきましたが、最後に「その他の副作用」についてみていきましょう。

 

循環器・血液症状

1%以上 1%未満 頻度不明
動悸 起立性低血圧、血圧低下、血圧上昇、頻脈、白血球数増加又は減少、単球増加、血小板数減少、出血傾向(鼻出血、胃腸出血、血尿等) 血小板機能異常、紫斑、斑状出血、皮下出血

 

感覚器症状

1%以上 1%未満 頻度不明
- 調節障害、視覚異常(霧視、羞明、視力低下等)、耳鳴、耳閉感、回転性眩暈 散瞳

 

代謝・内分泌症状

1%以上 1%未満 頻度不明
- 総蛋白減少、総コレステロール増加、尿糖、尿蛋白 甲状腺機能低下症、低ナトリウム血症、高プロラクチン血症、血糖異常

 

まず気を付けたいのが「循環器・血液系」の副作用です。こちらは「動悸」「血圧上昇・低下」など、体調面にダイレクトにかかわってくる症状があります。また、血液系についても、出血しやすくなったりなど、危険な状態になりやすいので、こういった傾向が見られる場合はすぐに医師に相談すべきです。

 

感覚器の症状については、特に視覚・聴覚に注意しましょう。視覚異常や耳鳴りなどによって、車の運転などに支障が出るケースもあるからです。

 

症状が見えにくい点では代謝・内分泌異常についても要注目です。もともとコレステロール値や血糖値が高い場合は、ジェイゾロフト服用後に数値がどうなるかは注視しておきましょう。

 

重大な副作用について

 

ジェイゾロフトを服用すると、低確率で重大な副作用が現れることもあります。

 

1.セロトニン症候群

 

脳の中のセロトニンが多くなり過ぎると、色々な自律神経失調症状(発熱、下痢、興奮、不安感)に襲われる場合があります。

 

2.悪性症候群

 

無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗・発熱 など

 

上記の症状が一気に現れることがあります。抗精神病剤と併用した際に出現すること他多いので、多剤併用時は注意が必要です。

 

3.痙攣

 

痙攣・昏睡が起こる場合があります。

 

4.肝機能障害

 

肝臓の負担が増えた結果、肝不全、肝炎、黄疸が現れるケースがあります。

 

5.SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)

 

幻覚、記憶障害、集中力散漫、低ナトリウム血症等に襲われる場合もあります。水を飲む量を減らして、ジェイゾロフトの摂取もストップしましょう。

 

6.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

 

7.アナフィラキシー

 

8:QT延長

 

どのケースでも直ちにジェイゾロフトの利用をストップして、病院に行って診てもらうようにしましょう。

 

依存性・耐性形成や離脱症状について

 

ジェイゾロフト等の神経伝達物質や中枢神経に関わってくる薬には、耐性が付きやすいですし依存度も上がりやすいです。分かりやすく言えば、飲み続ける内に効きにくくなって、その薬を飲みたいという欲求が高くなってくるという事です。

 

そして、耐性が付いたり依存が上がったりしてしまった段階で、いきなりジェイゾロフトの利用をストップしたり摂取量を少なくしたりすると、離脱症状に襲われる場合があります。薬の成分が体内から出ていく間に、自律神経がおかしくなって様々な症状に襲われるのです。

 

  1. めまい
  2. 耳鳴り
  3. ふらつき
  4. しびれ

 

ジェイゾロフトの主な離脱症状は上記の通りです。「痺れ(足や手のビリビリ感)」「耳鳴り(シャリシャリ音)」等があるので「シャンビリ」と呼ぶ場合があります。また、熱が出るなど風邪に似た症状に襲われる場合もあります。

 

「独断でジェイゾロフトの利用を停止した」事が離脱症状の引き金です。ジェイゾロフトを飲む事で状態が改善してくると「もう飲まなくていいだろう」と考えてしまうかもしれません。しかし、状態が良いのはあくまで「ジェイゾロフトを飲んでいるから」であって、停止してしまうとまた状態が悪くなってしまうのです。

 

ですから薬を止めたいのであれば、病院と相談しながら徐々に摂取量を少なくしていくのが普通です。ただ、離脱症状を我慢できるというのであれば、思い切っていきなり完全に停止するという手がないわけではありません。

 

色々存在する精神薬の中でも、ジェイゾロフトの離脱症状は軽くはないとされていますし、パキシル等よりも弱いですが、各々で差異がある事なので酷い離脱症状に襲われる場合もあります。ですからやはりいきなり断薬するのではなく、医者と相談しながら無理なく薬を減らしていって、最終的に止めるのが良いと思います。

 

まとめ

 

痛み止め・解熱剤・風邪薬等よりはジェイゾロフトの副作用は大きいです。ですから、油断せずに副作用の危険性は理解しておきましょう。対処手段も様々ですから、事前に覚えておきましょう。

 

  1. 高齢者
  2. 肝障害がある人

 

また↑に該当する人は特に気を付けてジェイゾロフトを使うようにしましょう。ことにお年を召している方には効きやすいので、激しい副作用も出やすいです。また認知症をエスカレートさせるという説もあるので気を付けるようにしましょう。